がん5年生存率は66.2% 「ネット・サバイバル」による集計
2023/03/17
国立研究開発法人国立がん研究センターはこのほど、2014~2015年診断例(2カ年)の5年生存率の集計結果を報告書にまとめて公表した。
今回は相対生存率ではなく「ネット・サバイバル」(後述の生存率の種類参照)による集計を実施した。
相対生存率では、実測生存率を「がんのない場合の生存率」で割ることで推定していたが、ネット・サバイバルは純粋に「がんのみが死因となる場合の生存率」自体を推定することが可能で、国際的にも広く採用されている。
今回は447施設、約94万例の院内がん登録データを用いて5年生存率を集計。2014~15年にがんと診断された人の5年後の生存率は66.2%だった。性別でみると、男性は62.8%、女性は70.8%で、女性のほうがやや高い傾向が見られた。
がんの種類別にみると、食道がん47.8%、胃がん70.2%、大腸がん70.9%、肝細胞がん45.1%、膵臓がん12.7%、小細胞肺がん11.5%、非小細胞肺がん47.5%、喉頭がん78.4%、女性乳がん91.6%、子宮頸がん74.4%、子宮体がん83.0%、卵巣がん64.5%、前立腺がん95.1%。
なお、2010年にがんと診断された人の10年後の生存率は53.3%だった。